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雨水活用

21世紀は地球温暖化や人口増加による、渇水や洪水および安全な飲み水の不足が危惧されていますが、解決策のひとつとして、雨水の利用に期待が持たれています。

日本には「雨」に関連する言葉がたくさんありますね。とてもきれいな言葉・・・

生活する上で恵みの雨は大切なもの、またゆっくり流れる時間の中で、それぞれの四季を感じ、風情のある情緒的な言葉が生み出されたのでしょう。

たとえば・・・五月雨(さみだれ)・・・梅雨と同じ時期でそのときの雨を表す、 村雨(むらさめ)…にわか雨のこと 桜雨(さくらあめ)…

雨は循環して還っていきます。雨は山や土に染み込み、川や海に流れていきます。また私たちは直接、雨といという先人の知恵を利用し、雨を貯留し生活に活用してきました。使った水は川へ…その水は蒸発して、雲になりまた雨に・・・。だから…天からの恵みの雨を大気汚染や排水によって汚したくないですね。

雨水をただ下水に流すのではなく、地中に浸透させれば都市型洪水などの対策になり、雨水を貯めれば資源として活用でき渇水対策になります。そこで私たちが生活の中で身近に出来る環境対策のひとつとして、雨水活用をご紹介致します。

雨水で洗濯してみよう!

え?!と思われるかもしれませんが、実は水道水を使って合成洗剤で洗うより、はるかに汚れが良く落ちます。ここで「合成洗剤」と書いたのも、石油製品ではなく自然にやさしい“生分解性の良い石けん”を使うことで環境を守ることにもなるからです。

私の所属している「東京・洗剤プロジェクト」(水環境関連の活動や実験をしている団体)が雨水を使って洗濯比較実験 ※図1 を行いました。(故)坂下栄先生(医学博士)に監修をして頂き、「雨水と竹炭を使えば、洗濯に適した水を作ることが出来る」という結果が出ました。

竹炭(チップ状)を雨水に浸した後、ろ過した雨水で洗濯すると、合成洗剤を使わなくても汚れを落とすことができるのです。

また、雨水でお洗濯をすると、石けんの使用量を半分にしても、合成洗剤より汚れがきれいに落ちるというものです。しかも少量の石けんで済むので、より環境に配慮したお洗濯ができますね。また、合成化学物質削減という見地からも、合成洗剤の使用を減らしていくことは、これからの水環境を考える上で「大切なこと」ですね。

地球上の水の量の97.5%は海水、2.5%が淡水です。そのうち、私たちの飲み水として使えるのは、わずか0.01%です。恵みの雨は、昔から私たち日本の風土に深く関わり、大切にしてきました。遠方のダムに頼らない、“家庭の小さなダム”(雨水タンク)に貯めてみませんか? 予想以上にたくさん貯まることが実感できると思います。
図1)
2001年8月 「第25回 洗剤・環境科学研究会」発表
資料作成:東京・洗剤プロジェクト
※ この原稿は、第25回水環境シンポジウム 2000年11月25日
社)日本建築学会 環境工学委員会 雨水の系WGで発表したものです。(引用・転記は不可)
雨水と水道水を使った石けんの泡立ち比較

雨水と水道水を使った石けんの泡立ち比較

  1. 水道水が入ったボトルに指定の半分の石けんを入れて振った
    (水中の硬度と石けん成分が結びついて白濁し、汚れを落とす石けん分が無くなり泡が無い状態)
  2. 雨水が入ったボトルに同じ様に石けんを半分入れ振った(水中の硬度が少ないため、白濁せず石けん成分が半分でも良く泡立つ)
  3. 水道水に指定量の石けんを入れ、Bと同じように泡立っている。

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